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兄弟姉妹を生命保険金の受取人にしたら相続税はかかるかを解説

chatこの記事で分かること

ポイント1

兄弟姉妹は被保険者の2親等に当たる血族なので、生命保険の受取人となることは可能

保険会社によりますが、基本的に受取人に指定できる範囲は、被保険者の配偶者および子や親などの2親等以内の血族となっています。兄弟姉妹は2親等にあたるため、保険金の受取人に指定することは可能です。

兄弟姉妹を生命保険の受取人にする場合、受け取った保険金は相続税の対象となるか贈与税の対象となります。

相続税の対象となる場合、兄弟姉妹が法定相続人になっているか否かで税金の計算方法が変化します。

ポイント2

受け取る保険金が相続税の対象となる場合、兄弟姉妹が法定相続人であれば税負担は軽減される

配偶者以外の法定相続人については、以下のように相続順位が定められています。相続順位が高い人から順に法定相続人になります。

第1順位:子・代襲相続人(直系卑属)
第2順位:親・代襲相続人(直系尊属)
第3順位:兄弟姉妹・代襲相続人

兄弟姉妹が法定相続人になるケースは、被保険者に子・代襲相続人などの直系卑属も、親や祖父母(代襲相続)などの直系尊属もおらず、兄弟姉妹がいる場合です。配偶者と兄弟姉妹がいる場合は、配偶者と兄弟姉妹が法定相続人になり、配偶者がいない場合は兄弟姉妹のみが法定相続人になります。

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兄弟姉妹を生命保険の受取人に設定することは可能

生命保険の受取人の条件

ポイント:生命保険の受取人は「被保険者の配偶者および2親等以内の血族」としている保険会社が多い

生命保険を契約する際は、契約者・被保険者・受取人を指定する必要があります。

契約者は、保険会社と保険契約を締結し、保険料を支払う義務のある人のことです。被保険者は、生命保険の対象として保険がかけられている人のこと。これらは生命保険に加入しようと考えたときにすでに決まっているでしょう。

受取人は、死亡保険金を受け取ることができる人のことです。

生命保険に加入する目的は、残された家族の生活を支えるためだったり、死亡後の後始末を託すためだったりとさまざま。自分が死んだときにお金を残す相手として、誰を指定するかを悩まれる方も多いのではないでしょうか。

受取人は契約者が指定できますが、誰にでも指定できるわけではなく、保険会社によって指定できる範囲が決まっています。生命保険を利用した犯罪や不正を防止するというモラルリスクの観点から、基本的に配偶者および子、親、、兄弟姉妹などの2親等以内の血族としている保険会社が多いです。

配偶者
1親等 子、両親
2親等 孫、兄弟姉妹、祖父母

このように兄弟姉妹も2親等以内の血族であることから受取人にすることができますが、配偶者または1親等の人から順番に受取人として選ぶ人が多いです。

受取人を兄弟姉妹にするのはどんなとき

ポイント:配偶者や子・孫がおらず、両親が高齢もしくはすでに他界している場合、兄弟姉妹を受取人に指定することがある

結婚して自分の家庭がある場合、残された家族の保障のため、受取人には配偶者や子を選ぶ人が多いです。しかし、配偶者や子がいない方は受取人を誰にするか悩まれると思います。

結婚をしていない、もしくは死別または離別した状況で子どもがいない場合、まず考えるのは親を受取人にすることです。しかし、親が高齢もしくはすでに他界している場合は、兄弟姉妹を受取人に指定される方もいます。

独身で親が高齢もしくはすでに他界している場合、自分の死亡時にお葬式を出すなどの後始末をしてくれるのは通常、兄弟姉妹です。例えば高度障害状態に陥った場合も兄弟姉妹の世話になることが多いでしょう。

このような場合の出費に備え、兄弟姉妹の負担にならないように、死亡保険金を残すのは、なにも不思議なことではありません。

兄弟姉妹が保険金を受け取る際にかかる税金

保険金を受け取る際にかかる税金

ポイント:契約者、被保険者、受取人の関係で保険金にかかる税金の種類が変わる

1-1で説明したように、生命保険契約では「契約者」「被保険者」「受取人」が指定されています。

誰が保険金を支払い(契約者)、誰が保険の対象となり(被保険者)、誰が保険金を受け取るのか(受取人)によって、受け取る保険金は「相続税」「所得税・住民税」「贈与税」のいずれかの課税対象になります。

受け取った保険金が相続税の対象となるのは、契約者と被保険者が同一人物の場合です。契約者が自身に保険をかけ、受取人を兄弟姉妹に指定するケースはこちらに当てはまります。

所得税・住民税の対象となるのは、契約者と受取人が同一人物の場合です。また、贈与税の対象となるのは、契約者、被保険者、受取人がすべて異なる場合です。

こちらの記事で話題としているのは、「自身の財産を保険金として兄弟姉妹に遺したときにかかる税金」についてですので、以下では受け取った保険金が相続税の対象となる場合につて詳しく説明していきます。

兄弟姉妹を受取人にしたときにかかる税金は相続税

ポイント:契約者と被保険者が同一人物の場合、兄弟姉妹が受け取る死亡保険金は相続税の対象となる

1-2でご説明したように、独身で子どもがおらず、両親も高齢もしくはすでに他界されている方はご自身にかけた保険の受取人に兄弟姉妹を指定される場合があります。

このように、契約者が自身にかけた保険の受取人として兄弟姉妹を指定している場合、契約者と被保険者が同一となるため、兄弟姉妹が受け取る保険金には相続税が課されます。

被保険者の死亡によって支払われる死亡保険金は、みなし相続財産として税法上は相続財産となります。

法定相続人が死亡保険金を受け取るときは、死亡保険金の非課税枠が適用され あります。死亡保険金の非課税枠は、500万円×法定相続人の数で計算されます。

しかし、法定相続人以外が死亡保険金を受け取る場合は、この非課税枠は適用されませんので、ご自身が法定相続人であるかどうかを確認しましょう。

法定相続人や死亡保険金にかかる相続税の詳しい計算方法については3章でご説明します。

兄弟姉妹が法定相続人となる場合の相続税の計算方法

法定相続人とは

ポイント:兄弟姉妹が法定相続人となるのは、子や孫がおらず、両親や祖父母も他界している場合

法定相続人とは民法で定められた相続人のことで、相続権は、基本的には法定相続人の範囲に含まれている人に与えることになっています。

故人の配偶者はどのような場合であっても法定相続人となります。ただし、正式な婚姻関係が必要です。

配偶者以外の血族相続人については相続順位が定められています。相続順位とは法定相続人になることができる順番で、相続順位が高い人から順に法定相続人になります。

第1順位 子・(子が先に死亡している場合は孫等)
第2順位 親・代襲相続人(親が先に死亡している場合は祖父母等)
第3順位 兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に死亡した場合は甥姪)

兄弟姉妹は第3順位のため、優先順位が高い人が生存している場合は法定相続人にはなりません。

保険金の受取人に兄弟姉妹を指定するケースでは、子どもや親がいないことが多いですが、たとえ子どもや父母が他界していても孫や祖父母が存命のケースもあるので注意が必要です。

兄弟姉妹が法定相続人になる場合には、以下の2パターンが考えられます。

1. 故人が独身で子どももおらず、両親や祖父母がすでに他界している。
2. 故人に配偶者はいるが子どもや孫はおらず、両親や祖父母がすでに他界している。

兄弟姉妹が法定相続人となる場合の相続税の計算例

ポイント:相続税の対象となる場合、相続財産の課税価格が基礎控除額を超えなければ相続税はかからない※

※それを超える場合には相続税が発生するが、法定相続人であれば死亡保険金の非課税枠が適用される。しかし、兄弟姉妹は相続税の2割加算の対象となる。

兄のAさん、弟のBさん、妹Cさんの兄弟姉妹を例に考えてみましょう。兄のAさんは生涯独身で子どもがいません。3人の両親や祖父母はすでに他界しています。

Aさんが死亡した場合、法定相続人はBさんとCさんの2人です。

相続税には基礎控除があります。基礎控除額は3000万円+600万円×法定相続人の数で求められるので、この場合3000万円+600万円×2人=4200万円です。

死亡保険金を含めて課税対象となる相続財産が、この基礎控除額の4200万円を超えない限り、相続税はかかりません。

相続税の計算方法を示すために、ここではAさんが6000万円の死亡保険金のみを残していたとします。

2-1でもお話したように、死亡保険金が相続税の対象となり、法定相続人が死亡保険金を受け取る場合、非課税枠が適用されます。非課税限度額は500万円×法定相続人の数で求められるため、このケースでは500万円×2人=1000万円です。したがって死亡保険金6000万円のうち1000万円を引いた5000万円が課税対象です。

ここから基礎控除額の4200万円を差し引いた800万円が課税遺産総額となります。これを法定相続分で分配したと仮定して、相続税を計算します。この場合400万円×10%※=40万円が2人分なので相続税の総額は80万円です。 ※相続税の速算表参照

この相続税の総額を改めて実際の相続割合で分配し直し、実際の納付税額を計算します。ここでは、Bさんが一人で死亡保険金を全額受け取ると仮定しましょう。

この場合Bさんは1親等の血族以外となるので相続税額の2割加算があり、実際の納付税額は80万円×1.2=96万円となります。

 

兄弟姉妹を保険金の受取人にする際の注意点

兄弟姉妹が法定相続人ではない場合

ポイント:死亡保険金の非課税枠が適用されない。また、兄弟姉妹は相続税額の2割加算の対象となる。

3章では兄弟姉妹が法定相続人となる場合の相続税の計算方法について説明しましたが、ここでは兄弟姉妹が法定相続人とならない場合の注意点について解説していきます。

たとえばですが、「独身で子どもがおらず、親がまだ存命だが高齢で自身の死後の後始末を任せられるような状況ではない」といった場合、兄弟姉妹は法定相続人とはなりませんが、保険金の受取人に指定されることもあるでしょう。

この場合、法定相続人は両親であるため、兄弟姉妹が死亡保険金を受け取る場合には相続税を支払わなければならなくなる可能性があります。

また、3-2で説明したとおり、死亡保険金の非課税枠も適用されません。

さらに兄弟姉妹は、法定相続人であるかないかに関わらず相続税額の2割加算の対象であり、配偶者や子ども、親に比べて同じ金額を受け取る場合に支払わなければならない税金が多くなります。

長男だけが保険金を受け取った際に兄弟間で保険金の分配はできる?

ポイント:保険金は受取人固有の財産となり、分配する義務はない

3-2で挙げた例ではAさんの残した死亡保険金をBさんが全額受け取った場合の計算方法について説明しました。この場合Cさんにも保険金は分配してもらえるのでしょうか。

生命保険の受取人が取得する死亡保険金は、相続財産とみなされ相続税の対象となっていましたが、あくまでも受取人固有の財産です。民法上の相続財産ではないため遺産分割の対象とはなりません。

したがって、Bさんは生命保険契約のとおり、一人で全額を受け取りことができ、妹のCさんに分配する義務はないのです。

複数人を受取人にしたときの注意点

ポイント:保険金は、保険会社によっては代表者の口座に一括で振り込まれることもある ため、代表者から各人への分配がスムーズに行なわれるよう注意が必要

Aさんが、Bさんひとりにだけ死亡保険金を残すのは不公平だと考え、Bさんに3000万円Cさんに3000万円残せるように契約していた場合はどうでしょうか。

生命保険契約では、受取人を複数人指定することができ、誰にいくらと金額まで指定することは可能です。

しかし、実際Aさんが死亡し、保険金を請求したときには、保険会社によっては代表者の口座に一括で支払われることもあります。その場合代表者であるBさんの口座からCさんに分配する必要があるので、分配までスムーズに行なわれるように注意が必要です。

まとめ

生命保険の受取人に兄弟姉妹を指定することが可能であることがわかりました。

独身もしくは離婚・死別して配偶者や子どもがおらず、両親もすでに他界されている場合、自身の万が一に備えて兄弟姉妹に保険金の受取人になってもらうことがあるかもしれません。

この場合、兄弟姉妹が法定相続人となるか否かで、死亡保険金が相続税の対象となる場合の税負担が変わってきます。保険契約の前にしっかりと確認することが必要です。

万が一に備えるための生命保険の受取人を誰にするか悩んでいる方は、一度当サイトからご相談ください。

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