資産運用を始めたいと考えていても、最初から株式や投資信託、不動産に投資するのは怖いと感じている方も多いのではないでしょうか。そんな方は、保険で資産運用を始めてみるのも一つの方法です。
この記事では、保険で資産運用ができる理由やメリット・デメリットについて解説します。
chatこの記事でわかること
ポイント1
資産運用できる保険は、終身保険・個人年金保険・学資保険・養老保険・変額保険の5種類
保険で資産運用をする際は、上記の貯蓄型保険の特徴を理解し、運用目的に合ったものを選びましょう。
ポイント2
保険で資産運用をする際は、メリットとデメリットを把握することが大切
保険で資産運用するメリット |
保険で資産運用するデメリット |
・投資の知識が無くても殖やせる ・預貯金よりも高い利回りが期待できる ・万一の保障が付帯されている ・生命保険料控除で節税できる可能性がある |
・早期解約すると元本割れする ・掛け捨て型保険よりも保険料が割高 ・他の投資よりも利回りが劣る可能性がある ・インフレリスクや為替リスクがある |
保険での資産運用が、必ずしも安全であるとは限りません。他の運用方法とは違うポイントも確認しましょう。

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そもそも保険で資産運用できるのはなぜ?
資産運用とは、資産を金融商品や不動産などに投じて殖やすことを言います。保険で資産運用ができる理由は、終身保険や個人年金保険などの貯蓄型保険に加入すると、支払った保険料以上のお金が戻ってくる場合があるためです。
貯蓄型保険での資産運用は、株式投資や不動産投資と以下の2点が特に異なります。
・契約者が払った保険料を保険会社が運用する
・保険の契約時に将来戻ってくる金額が確定する
もし保険会社が運用に失敗し、実際の利回りが保険会社の予測を下回った場合、保険会社の損失となるだけで、貯蓄型保険の契約者が損をすることはありません。
反対に運用実績が予測以上だった場合は、保険会社の利益となります。商品によっては、運用実績が好調であった場合に、配当金として契約者に還元される場合があります。
資産運用できる保険は円建てと外貨建ての2種類
貯蓄型保険には、円建てと外貨建ての2種類があり、それぞれの特徴は以下の通りです。
円建て保険:保険料を円のまま運用する保険
外貨建て保険:保険料を米ドルや豪ドルなどの外貨に両替して運用する保険
現在の日本は、政策の影響もあり歴史的な低金利です。そのため保険会社は、円のまま運用してもあまり殖えていきません。
そこで契約者が支払った保険料を日本よりも金利が高い、米ドルや豪ドルに両替して運用することで高い利回りが期待できます。また外貨建て保険では、保険金や解約返戻金を外国通貨のまま受け取ることも可能です。
資産運用できる貯蓄型保険
では、資産運用をするのに有効な貯蓄型保険には、どのようなものがあるのでしょうか?それぞれの特徴を解説していきます。
終身保険
ポイント:一生涯の死亡・高度障害に備えながら資産運用できる保険
終身保険とは、死亡または所定の重い障害状態が続いた場合の保障が一生涯続く保険です。終身保険に契約してから一定期間経過後に解約すると、支払った保険料以上の解約返戻金を受け取ることができ、老後資金や子どもの教育資金などにあてることができます。
近年の終身保険は、高い利回りが期待できる「外貨建て終身保険」が主流です。円建ての終身保険は、保険料を支払っている間の解約返戻金が低く抑えられた「低解約返戻金型終身保険」が中心に取り扱われています。
個人年金保険
ポイント:老後の年金を自分自身で準備できる保険
個人年金保険に加入し保険料を支払うと、契約時に定めた年齢に達したときに確定年金または終身年金の支払が開始されます。
確定年金とは
年金の受け取り期間が10年や15年などの一定期間である年金です。確定年金の受給期間中に、被保険者(保険の対象となる人)が亡くなった場合、残りの年金は遺族に支払われます。
終身年金とは
終身年金では、一生涯にわたって年金を受け取れますが、被保険者が死亡した時点で受給が終了します。ただし5年や10年などの保証期間が付いていると、年金受取人が亡くなったときから保証期間終了までの残りの年金が遺族に支払われる仕組みです。
学資保険
ポイント:教育資金を準備するための保険
所定の方法で保険料を支払うと、子どもが契約時に定めた年齢に達したときに保険金やお祝い金を受け取れるのが学資保険です。 保険料払込免除特約(特則)が付帯されている学資保険は、保険料の払込期間中に契約者である親が亡くなった場合、以後の保険料を支払う必要はありません。
そして子どもは、契約時に定められたタイミングで保険金やお祝い金の満額を受け取れます。 学資保険を取り扱うのは、主に日本の大手生命保険会社のみです。加えて他の貯蓄型保険とは異なり、外貨建ての学資保険は取り扱われていません。
養老保険
ポイント:一定期間の死亡・高度障害に備えつつ資産運用もできる保険
養老保険とは、保険期間中の死亡保障額と、保険期間満了後に受け取れる満期保険金の金額が同額である保険です。金利が高かったバブル時代は、支払った保険料よりもはるかに多い満期保険金が支払われたため、非常に人気のある保険でした。
しかし低金利の現代では、円建ての養老保険を取り扱う保険会社はわずかです。加えて満期保険金額は、支払った保険料の金額を下回るケースがほとんどであるため、資産運用の手段としてはあまり適さないといえるでしょう。 そのため養老保険に加入する場合、外貨建てが主な選択肢となります。
変額保険
ポイント:保険料の運用先を契約者自身が指定できる保険
変額保険とは、支払った保険料の一部の運用先を、契約者自身が指定できる貯蓄型保険です。保険料の運用先は、国内外の株式や債券などの金融商品で構成された「特別勘定」から選びます。 変額保険の種類は、以下の通りです。
変額保険(有期型):保険期間が一定で満了後に満期保険金が支払われる変額保険
変額保険(終身型):保険期間が一生涯の変額保険
変額年金保険:運用実績によって年金額が変動する個人年金保険
変額保険の死亡保険金や満期保険金、解約返戻金などの金額は、一般的な貯蓄型保険とは異なり、運用実績によって増減します。ただし死亡保険金額は、運用実績がマイナスであっても最低保証である基本保険金額は下回りません。
貯蓄型保険を選ぶときは返戻率を確認する
ポイント:返戻率を確認することで運用効率の高い貯蓄型保険を選べる
返戻率とは、以下の計算式で求められる値です。
返戻率 =受け取れる保険金・解約返戻金の総額÷払込保険料の総額
例えば、受け取れる保険金の合計金額が300万円で、支払った保険料の総額が280万円であった場合、返戻率は約107%(300万円÷280万円)となります。 貯蓄型保険に加入するときは、商品を比較して返戻率が高いものを選びましょう。
保険で資産運用するメリット
投資の知識が無くても殖やせる
ポイント:実際に運用するのは保険会社であるため契約者に投資の知識は必要ない
変額保険以外の貯蓄型保険は、契約者の代わりに保険会社が運用して殖やしてくれるため、投資の知識がなくても資産を殖やせます。また保険会社の運用実績がマイナスであっても、契約者が損をすることはありません。そのため、投資にあまり興味が持てない方や、投資の勉強よりも優先したいことがある方は、保険で資産運用するとよいでしょう。
預貯金よりも高い利回りが期待できる
ポイント:貯蓄型保険に加入した方が将来の資産が殖える
例えば、満期保険金が200万円で、返戻率が105%の学資保険に加入したとしましょう。保険料を10年間にわたって支払う場合、毎月の保険料は約15,873円です。
一方で、大手都市銀行の積立式定期預金で毎月15,873円を10年間積み立てた場合、将来受け取れるお金は合計で1,904,867円となります。定期預金の金利が年0.002%と低い値であるため、途中解約返戻金をしなければ学資保険に加入した方が積み立てたお金は殖えて戻ってくるのです。
万一の保障がある
ポイント:積み立ての途中で亡くなると死亡保険金が支払われる
預貯金では、お金を積み立てている途中で亡くなってしまった場合、残された家族は口座に貯まっている金額しか受け取れません。
一方で終身保険や養老保険で資産運用をする場合、途中で亡くなると死亡保険金を受け取れるため、契約次第では投資期間が短くても残された家族が必要なお金を残せます。
生命保険料控除で節税できる可能性がある
ポイント:貯蓄型保険で支払った保険料に応じた金額分、税負担を軽減できる
貯蓄型保険に加入し、毎年1月1日〜12月末までに支払った保険料の金額に応じた一定額が、その年の契約者の課税所得から控除されます。控除額の上限は、以下の通りです。
所得税の計算時:年間4万円まで(年間払込保険料:8万円超の場合)
住民税の計算時:年間2.8万円まで(年間払込保険料:5.6万円超の場合)
また生命保険料控除の上限は、以下のように生命保険の種類に応じた控除枠ごとに決められています。
生命保険料控除の区分
対象の保険 |
|
一般生命保険料控除 |
終身保険・学資保険・変額保険・養老保険・変額保険 など |
介護医療保険料控除 |
医療保険・がん保険・介護保険 |
個人年金保険料控除 |
所定の条件を満たした個人年金保険 |
※変額個人年金は、一般生命保険料控除の対象となります
例えば、すでに終身保険に加入しており、年間8万円の保険料を支払っている場合、新たに学資保険に加入しても節税効果を得られません。
しかし所定の条件を満たした個人年金保険に加入すると、控除額が別枠で計算されるため節税効果を高められます。
保険で資産運用するデメリット
早期解約すると元本割れする
貯蓄型保険を加入してから数年で解約すると、受け取れる解約返戻金額が支払った保険料の合計額を下回る”元本割れ”が発生します。貯蓄型保険に加入する際は、解約しても元本割れしなくなるタイミングを確認しましょう。 また加入先の生命保険会社が経営破綻した場合も、元本割れすることがあります。
保障内容が同じ掛け捨て型保険よりも保険料が割高
貯蓄型保険では、保障部分の保険料に貯蓄部分の保険料が上乗せされています。そのため途中で解約しても解約返戻金のない掛け捨て型保険と比較して、保険料が割高に設定されています。
小さな子どものいる世帯主の死亡保障は、数千万円ほど必要です。貯蓄型保険で、多額の死亡保障を準備しようとすると、保険料が数万円となり家計を大きく圧迫してしまうでしょう。
他の投資よりも利回りが劣る可能性がある
貯蓄型保険は、保険会社によって一定の運用利回りが保証されている一方で、実際の運用利回りは株式や投資信託より下回る可能性があります。 2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大によってアメリカやオーストラリアの経済も大きな打撃を受けたため、外貨建て保険の予定利率も低下しました。
インフレリスクや為替リスクがある
円建ての貯蓄型保険には、保険料を支払ったときの物価と、保険金・解約返戻金を受け取る時の物価の差によって生じるインフレリスクがあります。 また為替リスクは、外貨建て保険に存在するリスクで、保険料を支払った時の為替相場と保険金や解約返戻金を受け取るときの為替相場の差によって損得が発生します。
物価の価値と貨幣の価値、円の価値と外貨の価値は、片方が上がるともう片方が下がる相関関係にあります。そのため将来物価や円の価値が上がっていると、保険金や解約返戻金の価値が相対的に下がってしまうのです。
まとめ:保険で資産運用をする場合は最適な貯蓄型保険を選びましょう
保険で資産運用をする場合、商品のしくみやリスクを理解したうえで、積み立てる目的も考慮して最適な商品を選ぶことが大切です。
ご自身にとってどの貯蓄型保険が適しているのか、そもそも貯蓄型保険に加入すべきなのか迷われている方は、当サイトからファイナンシャルプランナーに相談してみてください。

お悩みならプロに無料相談!
当サイト紹介のファイナンシャルプランナーはお金のプロです。老後資金の悩みをスムーズに解決することをお約束します。
※プロフェッショナルは当サイトからご紹介するファイナンシャルプランナーです。